胡蝶蘭の各部位の名称「どうしてこんな形してるの?」

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胡蝶蘭の花を観察してみると、なぜこんな形をしているんだろう、どういう構造になっているのか疑問に思った方もいることでしょう。花粉が出にくい構造だから贈答向きだと言われているけど、いったいどうなっているのか説明できる人は少ないかもしれません。

そこで今回は、胡蝶蘭の花についてもっと知りたい!という方のために、胡蝶蘭の花について、各部の名称や役割を紹介していきます。


胡蝶蘭の花の構造


胡蝶蘭の花は3枚の花弁と3枚のがく弁で構成されています。花は左右対称になっており、花弁は2枚のペダル・1枚のリップ、がく弁は1枚のドーサルセパル・2枚のロアーセパルで構成されています。
花は平らに開き、弁質は薄いものから厚いものまであります。

こうした胡蝶蘭の花を見ていると、神秘的な形をしていると思いませんか。いったいどういう構造をしているのでしょう。それぞれ各部の名称と共に紹介していきます。


各部の名称や役割


それぞれの名称と役割を紹介します。

ペダル(花弁)

左右に大きく広がる半円型のペダルは、観賞価値が高く、大きなものの方が豪華で高値になります。

リップ(唇弁)

先端は細く尖っていています。昆虫の着地点になる役目を果たします。

ドーサルセパル(上がく片)

ドーサルセパルはリップと反対側の上に1枚付きます。ドーサルとは背・背面という意味です。

ロアーセパル(下がく片)

ロアーセパルはリップの真後ろである花の下に左右1枚ずつ付きます。

花粉塊(かふんかい)

胡蝶蘭の花粉塊は2個あります。粉状ではなく塊状となっています。

粘着体(ねんちゃくたい)

葯帽の下に粘着体があり、成熟すると粘膜物質で覆われます。

葯帽(やくぼう)

コラムの先の方についており、花粉塊を包む役割をしています。

コラム(ずい柱)

リップの奥の方にあり、先端の方に雄しべと雌しべに相当する器官(花粉塊)がついています。

雄しべ

突起

リップの付け根についています。

胡蝶蘭の花は、以上のような構造をしています。
花の魅力に引き寄せられて虫がリップにとまります。花の奥に入ろうとしたら、葯帽の隙間から出ていた粘着体が虫に付着します。そうすると、粘着体とつながっている花粉塊が引っ張り出され虫に運ばれることになります。
このように粘着体によって昆虫に花粉が運ばれる仕組みになっています。花粉塊が取れると、胡蝶蘭の花は役目を終えたと思い、花は枯れてしまいます。

いかがでしたでしょうか。
今回は、胡蝶蘭の各部の名称や役割を紹介しました。胡蝶蘭の花がどのような構造をしていて、どんな仕組みになっているのか理解できましたでしょうか。花粉がでないから花粉症の心配は不要というのも、構造上、今回紹介したような受粉方法をとっているからなのです。
見れば見るほど不思議な形をしている胡蝶蘭の花ですが、こうした構造や各部の名称を知った上で観賞してみると、さらに違った楽しみ方ができるかもしれません。

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