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レビューは当てにできるのか?胡蝶蘭の通販ショップの場合
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ネット通販において、そのオンラインショップの信頼、また、商品の良し悪しを測るために、お客様レビューを参考にすることがあります。
贈答用の大輪胡蝶蘭のオンラインショップ場合、果たしてこのレビューは参考になるのでしょうか。
最初に結論を出してしまうと-
答えは「NO!」ではないかと考えます。
贈答用の大輪胡蝶蘭において、お客様レビューは参考にならない、ということです。
なぜそう言えるのか、以下に記述します。
胡蝶蘭のほとんどが法人向け贈答
誰ものイメージにある胡蝶蘭と言えば、複数の白い大輪の花であり、
どこで見かけるかと言えば、会社のエントランス、落成したオフィスビルや工場、開店したお店、葬儀の弔問客を迎える場所、などではないでしょうか。
多くの人がそうであるということは、需要の多くもその通りだということです。
実際、大輪胡蝶蘭は、上記のようなフォーマルな場所に飾られることが多く、需要の90%が贈答用だと言われています。さらにその多くは法人が占めています。
このことを踏まえて、お客様レビューを考えてみましよう。
┃贈答用だから商品は手元にない
まず最初に、贈答用商品は、レビューを書くことができる注文者の手元に届いていません。胡蝶蘭においても、多くがこれに該当します。
当然のこととして、商品のレビューは、それが手元に届いてこそ信憑性のあることが言えます。
「この度は、胡蝶蘭をお贈りいただき、ありがとうございました。」
「お届けした商品は、いかがでしたか?」
といった会話があろうかと思われますが、いただきものに対して(内心はどうあれ)、悪い感想を答えることは滅多にないのが普通でしょう。
胡蝶蘭においても、このような状況下で書かれたレビューであるということを念頭におきましょう。
┃会社の買い物なのにレビューを書くか?
さらに、多くの利用を占める法人用途の胡蝶蘭の場合、次のようなシーンが想像されます。
上司から部下へ
「取引先の社長にAがさんが就任するということだから、お祝いに胡蝶蘭を送っておいてほしい」
実際にこのような指示を受けて対応する例が多いでしょう。
上司からの指示を受け、仕事の一環として注文した人が、果たしてマメにレビューを書くでしょうか?
仕事の合間にすることでしょうから、よほど時間的余裕があるか、言わないと気が済まないような印象的なことがあれば書くかもしれません。
でも、明らかに言えることは、自分自身が購入した商品に比べ、上司に頼まれた会社使途の商品レビューは、書く意欲と頻度は少なくなるはずです。
もし仮にレビューを書くつもりになったとして、会社名などが販売側に知られるということに気づいた時、多くの人が躊躇し「まぁいいや」と、辞めてしまうことが多々あるのではないかと想像できます。
┃一部の企業ではネット上への書き込みができない
法人の場合、インターネット上のセキュリティポリシーが掲げられていることが少なからずあります。
そのポリシーに基づき、多くの上場企業によくみられることとして、インターネットの閲覧対象に制限が設けられます。
わかりやすい例で言えば、アダルトサイトであったり、出会い系のサイトが見られないような制限です。
そればかりではなく、SNSをはじめとした、ネット上への書き込み用のページが、この制限の対象になることも多くあります。
つまり、レビュー投稿ができないということです。
そんな制約を乗り越えてまでもレビューを書くことは、滅多にないと考えるのが普通でしょう。
代表的な意見ではない
以上が、胡蝶蘭の注文の大部分に対して言えることです。
購入者の多くが法人であるのに、その法人からのレビューはほとんどないとすれば、
投稿されたレビューは、「多数の意見の代表として見ることはできない」と考えることに同意いただけるのではないでしょうか。
例えて言えば、女性向けの商品に対して、男性のレビューを参考にするか?
若者向けの商品なのに、年配者の意見を参考にするか?ということと近いのではないかと思うのです。
従って、冒頭に書かせていただいたような結論に至ります。
書かれているレビューをすべて否定するわけではありませんが、一般的なネット通販の商品レビユーと同じようには参考にはできないと結論づけることに納得できる人も多いように思います。
┃モール系のショップの場合は例外?
少しだけこれとは異なる傾向にあるかもしれないのが、楽天市場やヤフーショップなどのモール系ショップです。
前提として、個人利用者が多いということと、
これらのショップを頻繁に利用している人は、レビューを書くことによる特典などのモチベーションを持っているからです。
レビューを書くことに使命感のようなものを持っている人もいるのではないかと思われます。
特にインターネットのセキュリティーなどがない法人では、法人用途でも個人名を使って買うことがあると思われます。
すると、そのような人は、レビューを書くことがあるでしょう。
ただし、前述しましたように、贈答用であれば、その商品そのものを見ることがなく書かれたレビューかもしれませんし、レビューの特典がモチベーションとなって書かれたことである点を考慮して、レビューを読む必要があると言えます。
いかがでしたでしょうか。
概念的な言い方をすれば、「レビューを書く人の背景や環境を踏まえて、そのレビューを参考にするべきかどうか検討しましょう」ということです。
背景:胡蝶蘭は法人向け贈答用途が大多数である
環境:法人(会社)としての注文、レビュー投稿ページへのアクセス制限
あくまで憶測の領域ですが、中には自作自演のレビューを掲載しているオンラインショップもあるのではないかと思います。
その点の判断は、ここで記述したようなことを頭の片隅において、吟味していただければと思います。
個人的には、むしろレビューなどは一切ないぐらいが、小細工がなくて良いと感じたりもします。
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