胡蝶蘭の学名や名前の由来を探ると、日本人の情緒的な繊細さが見えてくる

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お祝い事や式典などに飾られる花といえば、やはりコチョウランです。家に飾られている方は少ないかもしれませんが、贈答品として喜ばれることの多い花のひとつです。「コチョウラン」を漢字で書くと「胡蝶蘭」ですよね。花姿を見ても、名前を見ても、蝶が舞いながら幸せを運んできてくれそうで、とても素敵な名前だと思います。ではコチョウランは、英語では何て呼ばれているのでしょうか。また、少し変わった名前ですが名前の由来などあるのでしょうか。

そこで今回は、コチョウランの名前の由来や英名から学名まで、コチョウランの名前について探ってみたいと思います。


学問的なコチョウランの名前


名前 胡蝶蘭(コチョウラン)
英名 Moth orchid(モス オーキッド)
属名 Phalaenopsis(ファレノプシス)
学名 Phalaenopsis aphrodite(ファレノプシス アフロディーテー)

属名は、ギリシャ語のPhalaina(蛾)とopsis(見かけ)の2語を組み合わせて、「蛾のような」という意味合いになります。これは、胡蝶蘭の原種のひとつであるファレノプシス・アマリビスの花の形が、熱帯に生息する蛾に似ていることに由来すると言われています。

学名は、Phalaenopsis(ファレノプシス)「蛾のような」と、aphrodite(アフロディーテー)「ローマ神話に出てくる、愛と美と性を司るギリシア神話の女神」が合わさったものになります。

そして日本では咲いている花を見て、蝶が優雅に舞っている姿を連想させることから「胡蝶蘭(コチョウラン)」と名付けられました。日本では「蛾」だとイメージが悪かったこともあり、「蝶」になったと言われています。

ちなみに海外では蛾と蝶の区別の仕方が日本とは違いますし、区別する概念があまりない国もあります。そのため、英名のMoth orchid(モス オーキッド)は、Moth(モス)「蛾」と、orchid(オーキッド)「蘭」が合わさり、蛾の蘭として呼ばれています。

ちなみに、中国では「胡蝶兰」と書きます。

いかがでしたでしょうか。
コチョウランの名前の由来ひとつとっても、日本人は昔から情緒豊かで、繊細な感性を持っていることがわかります。そのため蝶や蛾の違いや花のイメージに対して、独自の名前を付けられたのだと思います。

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