温室を利用する胡蝶蘭の育て方を知る~11月編~

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温室で育てている株の状態


涼しくなりはじめた秋から温室に入った胡蝶蘭は、その後も順調に生長し続け、葉も大きく、根も少しずつ伸びている状態ではないでしょうか。11月の中旬~下旬には、温度管理によって花芽が見える株ばかりになります。

花芽は上から3枚目と4枚目の葉の間(葉の付け根あたり)から出てきます。葉が多い充実した株の場合は、それよりも下の葉の付け根から出てくることもありますが、最初は出てきた芽が「根」なのか「花芽」なのか判断しにくいかもしれません。しかし胡蝶蘭の花芽は、決まった場所から出てきますので、それ以外から出てきたら根だと思って構わないでしょう。また、生長していく段階で、花芽は上の明るい方に伸び、根は下向きに伸びやがて白色に変化していきます。花芽や根の見た目の特徴を紹介したページもありますので、参考にしてみてください。


温室で育てている胡蝶蘭の管理方法


 

|置き場所

多くの株は温度管理により花芽を確認することができるでしょう。夏の暑かった温度から、平均温度21℃(最低温度18℃)で管理することにより、株は花芽を生長させるようになります。このまま花芽が生長する温度の管理を続ければ、来年の1月~2月に開花します。とても楽しみな季節です。

温室内は蒸れないように内気扇を使用し空気を循環させたりします。しかし、通風を図ろうと外気を取り込み、寒風を直接株に当てないよう注意が必要です。

|水やり

温室がなく最低温度18℃を下回る状態では、株は休止状態になり水もほとんど必要ありませんが、温室を利用し平均温度21℃(最低温度18℃)の管理であれば、花芽が生長します。

先月同様、植え込み資材が乾いてから水やりを行いましょう。

|肥料

夏のように株が大きくなるを助ける段階では肥料を与えてもいいですが、花芽が生長する段階では肥料は必要ありません。

|病害虫

病気や害虫の出ない季節にはなりますが、温室内は害虫にとっても環境が良いため、注意は必要です。
また、温室外は寒いですので、寒風を当てての水やりは根腐れや低温障害の原因となり、カビや細菌による病気を引き起こす恐れがあります。

いかがでしたでしょうか。
今回は、温室を利用した11月の胡蝶蘭の育て方を紹介しました。11月に出てきた花芽がこのまますくすくと育っていけば、1月~2月には開花します。とはいえ1点注意して欲しいことがあります。サーモスタットを使い室温を管理してる場合、使用する前に正常に作動するか確認する必要があることです。この機器は夏の間は作動せず、高温のまま放置されることになります。すると知らない間に機器内部が傷んでしまい、正常な温度調整を行えていない可能性がでてきます。必ず、設定温度と室温に差が出ないかを確かめてからサーモスタットを使いましょう。
とても夢の膨らむ楽しみな季節ですが、最後まで気を抜かずに育てていきます。

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