【決定版】10月の胡蝶蘭の育て方を解説

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10月はいよいよ冬の栽培へと移行していきます。日本でも北と南の地域によって、大きく気温差があります。最低温度や室温などの環境によって、株の生長や状態が変わってきます。
本格的な冬を迎えるための準備となりますので、気温には気を配り、環境に合わせて株を管理することが大切になってきます。10月の胡蝶蘭栽培で、大切になってくるキーワードは「温度」です。

それでは今回、10月の胡蝶蘭の育て方を紹介します。参考にしてみてください。


10月の胡蝶蘭の状態


胡蝶蘭の株は10月になると、そろそろ今年の生長が終わり、花芽を作る状態に入ります。暖かかった夏の環境から、最低温度が18℃(1日の平均温度21℃くらい)を下回ると、生長がゆっくりになっていき生長期が終わり、花芽分化が起こります。このように花芽反応が起こり、花芽が目視できる程度に育つまでに30日程かかります。胡蝶蘭を育てている環境の温度に注目しながら、株を観察してみましょう。
とはいえ、たくさんの花を咲かせるためには充実した株になる必要があります。10月もできるだけ長く生長させられるよう、暖かい環境を確保しましょう。

また胡蝶蘭の場合、株が変化したかどうかが分かりづらいです。生長期から花芽反応までの間は、伸びていた葉が自然に伸びを止めるという程度なので、生長期が終わったのか見た目ではよくわかりません。
初夏に新根がたくさん出ますが、株によっては秋にも新根が出るものもあります。このため、秋には根を見ただけで生長期かどうかの区別がつきにくい特徴もあります。

生長期が終わり、休止状態になると株の管理も変わってきますので、温度を意識しながらこの時期の株を観察をして育てていく必要があります。


10月の管理方法


 

|置き場所

10月には気温が低くなり生長期が終わるとはいえ、できるだけ生長させ大きく充実した株にした方がいいです。最低気温が18℃を下回りそうな時には、室内の温かい窓辺に置くなどして、温度の確保に努めましょう。そうすることで、まだゆるやかに生長します。

この時期の温度管理は、花をつけるためにも非常に大切です。胡蝶蘭は暖かい環境で育った"充実した株"が、温度が下がり一定期間(30日程度)、最低温度18℃(1日の平均気温21℃程度)の環境にあることで花芽がでてくるからです。

胡蝶蘭の花芽が目視できるまで 1日の最低温度18℃以下(1日の平均温度21℃程度)の環境に30日ほどで目視できる程度に花芽が生長(花芽反応自体は1週間程度この環境下に置かれることで株の中では起こっている)

ただし温室がない場合は、10月~11月頃にできた花芽が冬の寒さの中では生長が止まり、再度花芽が伸びて開花するのは春になります。

|水やり

温度が下がり生育が鈍くなると、植え込み資材が乾きにくくなってきます。必ず植え込み資材が乾いてから与えるようにしてください。
休止期の胡蝶蘭に対する過湿は、株を傷める原因になりますので、この時期から春までは水やりに一層注意を払う必要があります。葉の付け根に水が溜まったら必ず取り除きましょう。

詳しい与え方は、胡蝶蘭の水やり方法で紹介していますので、そちらを参考にしてみてください。

|肥料

肥料は不要です。
胡蝶蘭の肥料について詳しく知りたい方は、胡蝶蘭の肥料を解説で紹介していますので、そちらのページをご覧ください。

|病気予防、害虫対策

最低気温が下がってくると、害虫の発生も少なくなってきます。
とはいえ、カビによる炭そ病、細菌による軟腐病や褐斑細菌病など低温で発生するものもありますので、時々葉のチェックを行いましょう。もし発病していたら、病気の葉の切除を行う必要があります。
当サイトでは、胡蝶蘭の病気の原因や特徴を紹介していますので、そちらもご覧ください。

いかがでしたでしょうか。
今回は、10月の胡蝶蘭の育て方を紹介しました。先月と違い、最低温度も低くなる季節です。胡蝶蘭も花芽を作ったり、冬越しの準備に入ったりと目に見えにくい変化が訪れます。
また初夏から秋にかけての目標だった新しい葉は、1.5枚以上増やすことができましたか。新葉を1.5枚以上育てることができていたら、成長期の栽培は合格です。あとは、寒い冬を乗り越えるだけです。

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