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胡蝶蘭の美しさの秘密は「仕立て」にあり
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贈り物として人気の高い胡蝶蘭ですが、贈り物で届いた胡蝶蘭の美しさはやはりその花姿にあります。あの花姿に憧れ、胡蝶蘭の苗を買って家で育ててみると、蝶が一列になって舞っているような優雅な花姿にはなりません。
それは育てている途中で、胡蝶蘭ならではの「仕立て」という作業をしていないからです。(「曲げ」とも表現されます)
そこで今回は、胡蝶蘭の美しさの秘訣でもある仕立て作業についてご紹介したいと思います。胡蝶蘭を育てている方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも、仕立てって何?
仕立てとは、支柱を立ててそれに胡蝶蘭の花茎を沿わせるような形で留めていく作業のことを言います。
贈り物の胡蝶蘭には、この仕立てがしてあり花の見栄えを良くしています。
そもそも野生に生育する胡蝶蘭は支柱などなく、花茎は自由に伸びています。そして花の重みで自然に垂れ下がり、花もばらばらの方向を向いています。自分で育てた場合も、何もしなければこのように好き勝手な方向に伸びていってしまいます。
そこで贈り物同様、支柱を立て花茎を支柱に留めていけば、贈り物の様な綺麗な花姿にすることができます。
仕立て作業はそんなに難しいものではないので、自分で育てている胡蝶蘭でも行うことができます。
胡蝶蘭の仕立てをする方法
胡蝶蘭の仕立ては、花茎の向きを揃えて花姿を綺麗に見せるための作業です。
開花が始まりだすタイミングで行いましょう。つぼみがいくつもでき、間もなく咲き始める株に行っても良いでしょう。
温室などで育てている胡蝶蘭は、1月くらいから仕立てを行う株も出てくるでしょう。寒い場所で冬越しした株は春~夏に花を咲かせることになりますので、遅くとも7月までには行う作業になるでしょう。
|準備するもの
- 支柱(園芸用の鉄線など)
- ビニールタイ、園芸用テープなど支柱と花茎を留めるもの
|仕立て作業の手順
仕立てを行う前に、前提準備が必要です。下記の作業を事前に行っておきましょう。
花茎がある程度育ってきた状態で、この準備は行っておきます。
花が咲いた時に転倒してしまうのを防ぐため、支柱を真っすぐ立て花茎を仮止めしておきます。
仮止めは花茎の先端まで行わず、花茎の中央部分くらいまで行います。
誘引用のクリップや洗濯ばさみなどで、支柱と花茎をゆるく留めておきます。
このような仕立ての準備作業も詳しく紹介していますので、胡蝶蘭に支柱を立てて転倒を防ぐ作業を参考にしてみてください。
では、準備の整っている胡蝶蘭に対し、仕立て作業を行っていきましょう。
- 開花が本格的に始まるまでは、準備段階の仮止めの状態で待ちましょう。
- 開花が始まりだしたら、支柱の長さを調整します。支柱は曲げて使うので、鉢底から花までの長さよりも20cm程度長くします。
- 支柱固定したあと回転してしまわないように、差し込む方の先端をZ字型に曲げておきましょう。
- 支柱を鉢に深く差し込みます。その後、下から上へ花茎と支柱をビニールタイで留めていきます。
- 花の下側で支柱を下の方向に大きく曲げます。そうすることで花が上から下へ並ぶようになります。
- 曲げた支柱と花が付いた花茎をビニールタイなどで留めます。
花はまだ伸びるので、少し余裕をもたせながら留めていきます。特に先端はゆるめにしましょう。 - 補強用に短めの支柱を立てます。短めの支柱を鉢に差し、最初の支柱と花茎を留めます。
- 花が伸び切ったらゆるく留めていたビニールタイを外して留め直します。
|仕立て作業の注意点
- 支柱を差す際に、根を傷つけないように注意しましょう。
支柱を差しこむと根を傷つけてしまう可能性があります。差し込む際は、ゆっくりと感触を確かめながら行いましょう。 - 花茎を傷めないように注意しましょう。支柱と花茎を留める際に、無理やり胡蝶蘭を曲げたり向きを変えると、折れてしまう可能性があります。
また仮留めの段階で、強く締めすぎることにより生育を妨げないようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。
今回は胡蝶蘭の仕立て方法をご紹介しました。仕立ては胡蝶蘭を育てているみなさんに、ぜひやってもらいたいことのひとつです。なぜなら、美しい花姿をより楽しむための方法だからです。
胡蝶蘭の仕立て作業にチャレンジしたことがない方は、ぜひ一度トライしてみてください。
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